なぜこのモデルが重要か
ロレックスは現行デイトナをCal.4131へ刷新し、ケース/ダイヤルの細部も微調整しました。中でもエバーローズ×オイスターフレックスの126515は、温かみのある金色調、セラクロムベゼル、サンバースト文字盤(中国圏では“Becks系”の愛称)で一気に人気に。**クリーンファクトリー(Cファクトリー)**が“4131時代”のビルドを出してきたことで、「実際どこまで合っているのか?どこを見ればいいのか?」という声が増えています。
用語メモ:コミュニティで言う「4131」は4131風クローンを指すことが多く、本物のロレックスCal.4131そのものではありません。6時スモセコ/3時30分積算/9時12時間積算の表示と、操作感の再現を狙った設計です。
126515で“何が”変わったのか(旧エバーローズとの違い)
- ムーブメント:4130 → 4131。ボールベアリング式ローター、効率最適化、受け形状や仕上げの見直し。
- ケース&ダイヤル:外装プロポーションや書体の微修正、サンバーストの質感/色味が段階的に洗練。
- ベゼル:ブラック・セラクロム+白金調PVDタキ。エバーローズの色味を引き締める額縁として有効。
レプリカ目線では、タイポグラフィ/サブダイアルの深さ/サンバーストの線密度/針やインデックスの形状に“差”が出やすい、ということ。
横並び比較:クリーンが当ててきた点/要チェック箇所
以下は複数の本物4131個体とクリーン個体を同条件で見比べた現場用チェックリストの要約です。
ダイヤル色とサンバースト
- 合致点:サンバーストの放射角度と線の密度がかなり自然。間接光では暖かいシャンパン〜冷たいグレージュへ表情が反転し、本物の挙動に近い。
- 照明差:暖色LED下で軽いブロンズ寄り、昼光下で脱彩して落ち着く——過去のレプリカが崩れやすかった領域をクリア。
- 確認:極端な斜光マクロで**“放射の線”が粗く見えないか**。一部ロットでわずかに差が出ることあり。
プリント&タイポグラフィ
- 合致点:「DAYTONA」リング、サブ目盛、分目盛の線幅コントロール良好。縁の毛羽立ちも小。
- 注意:本物でも製造バッチ差があり、分目盛が“気持ち太い”ものも存在。一律に“正解の太さ”はない。
- 確認:**タキの“UNITS PER HOUR”**の字間(1〜2時付近)。クリーンは上々だが、ベゼル彫りの深さ均一性はルーペで一応見る。
アプライドインデックス&針
- 神話と現実:「インデックス厚は絶対○○mm」論は危険。本物4131を複数並べると範囲内の個体差が実在。針形状の微差も出る。
- 合致点:インデックスの面取りはキレ良く、鏡面も均質。センターピニオン周りの針スタックの仕上げも良好。
- 確認:斜光でインデックス脚の影が強く出ていないか。サブ針の先端長がトラックにしっかり届いているか(初期ロットで0.2〜0.3mm短い事例があった)。
サブダイアル
- 合致点:アズラージュ(同心円筋)の刻み/ディッシュの深さとも適正。壁面の塗料にじみなし。
- 確認:マクロで段(ステップ)になって見えないか。最近のクリーンは良好。



ケース/ベゼル/プッシャー
- ケース:エバーローズの磨き・エッジはシャープ。ラグ天面との切り替えも綺麗なライン。
- ベゼル:セラクロムの艶と白金調充填は均一。数字がグレー落ちする昔の弱点は出ていない。
- 操作系:プッシャー/リューズのねじ込みは節度があり、噛み込み感なし。
クリスタル&リホート
- 風防:透明度良好、エッジの仕上げも違和感なし。
- リホート:刻印の均一性は良いが、いつも通り12時王冠のセンターは最優先チェック。ズレは即NG。
「4131」クローンについて(実用上の要点)
- 表示と操作:6時ランニング秒/中秒クロノ/3時30分積算/9時12時間積算。スタート・ストップ・リセットの圧感は段階的で、帰零はキッチリ12時。
- 巻上げ&持続:手巻きスムーズ。満巻で約70時間の報告が多数。
- 歩度:馴染むと**+5〜+10 s/d**が目安。軽いレギュでさらに詰められる。
- サービス注意:クロノ系は構造が複雑。連打テストは禁物/防水表記でも水中クロノ操作はしない。
「4131」表記=4131風クローンとして扱うのが現実的。見た目の建て付けと機能が揃い、日常の“使い味”が本物に近いことが重要。
「インデックス厚」論争について(過信しない)
複数の本物4131を並べた所見は2つ。
- インデックスの“量感”や針形状は、本物でも完全一律ではない。
- よって、同じダイヤルコード/同時期を合わせずに「0.1mm薄いからレプリカが間違い」は乱暴。
クリーンが**“色ごとに本物調達→色合わせ優先”**を繰り返すのも、この前提があるからです。
サイズ調整前のクイックQC
- タキの12時基準と数字間の均一性
- クロノ針のリセット精度/分積算の60ジャンプ
- プッシャー/リューズのねじ込みが滑らか、チューブのガタなし
- 冷/暖光でのサンバースト:ムラ・斑点なし
- インデックスの座り:浮き・接着の滲み・針塵の混入なし
- オイスターフレックスの装着:カーブがケースに沿う/クラスプは均一で小気味よいクリック
装着感(エバーローズ+黒ベゼル+オイスターフレックス)
- バランス:数値より**小さく“締まって”**見える。重心も素直。
- ストラップ:クリーンの内部ブレード感は再現度高く、“ゴムのベロン”感がない。マイクロアジャストが実用的。サイズコードは手首に合わせて選択。
- 存在感:エバーローズの温度感×黒ベゼルで上品にまとまる。ローライトではサンバーストの奥行きが静かに効く。



クリーンに残る“要見張り点”(微細な話)
- マクロのサンバースト粒度:角度によりごく薄く粗めに見える個体差あり。
- ベゼル充填の均一性:白金調のトーンばらつきがないか確認(稀)。
- サブ針の先端長:トラックにしっかり届いているか。どの工場でも外れ個体は起こり得る。
いずれも腕上ではほぼ気にならないレベル。総体としての「説得力」は高い。
コミュニティの結論(スローガン抜きで)
往年の116518 “ショーン・ユー”で培った「色を合わせ、仕上げで詰める」哲学を、4131時代の126515でも踏襲。絶対的“完璧”は存在しないものの、複数本物と横並びにしても、色調・サンバースト・プリント・外装・クロノの触感まで“整合的に見える”。
求めるべきは「フローレス」ではなく、**“精査に耐え、腕上で説得力がある”**こと。エバーローズ×セラクロムの現行デイトナに対し、まさにその基準をクリアしています。
実用メモ(オーナー向け)
- クロノを癖でリセット連打しない。Start→Stop→Resetの基本動作で。
- エバーローズの磨きは最小限。マイクロファイバー中心で。
- 18〜24ヶ月で軽整備(清掃/注油/歩度)を。
- 防水は生活防水思考。ねじ込みは徹底、水中クロノ操作は厳禁。
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