何が本当に変わったのか、4131と4130の“腕上の違い”、そしてクリーンファクトリー版でチェックすべき要点
なぜこの比較が重要か
116500から126500へのモデルチェンジは一見わずか。しかしレプリカの世界では、そのわずかな差こそが全てになる。ベゼルとケースの取り合い、ダイヤルの書体やサブダイヤルの深さ、そして話題のムーブメントCal.4130→Cal.4131。本稿では変更点を平易に整理し、最後に**クリーンファクトリー(クリーンファクトリー)**製デイトナの実用QCチェックリストをまとめる。
見出しで掴む違い
ベゼル&ケースの境界
- 116500:黒セラクロムの存在感がやや強い。下地のスチール“ベゼルリング”が視覚的に太く見え、ベゼルがわずかに盛り上がって見える。
- 126500:セラミックが光学的に細身に見え、遷移がスッと綺麗。境界のスチールが薄く見えるぶん、正面の印象が洗練。
ダイヤル&タイポグラフィ
- 116500:ミニッツトラックがやや太め、サブダイヤルのリングも力強い。DAYTONAの赤文字はロット差あり。
- 126500:印字が引き締まり、サブダイヤルの目盛りも整然。強い光下で針とインデックスがよりクリーンに読める。
針&インデックス
- 116500:4130期の馴染みあるプロポーション。
- 126500:長さ許容差やポリッシュの微調整で腕上のキレ味が増加(特に白文字盤)。
ムーブメント
- 4130(116500):カラムホイール×垂直クラッチの名機。
- 4131(126500):ボールベアリング・ローターや効率最適化、仕上げ更新。ユーザー体感は巻き心地の滑らかさとリセットのキレ。


総合印象
- 116500:パンチのあるベゼル主張。
- 126500:落ち着きと端正さが増し、視覚的に“面が揃う”。
日常装用での体感差
- 視認性:126500は印字の整いとサブダイヤルの“見え方”で経過時間が読みやすい。116500はコントラストが強く写真映え。
- ベゼル存在感:116500は“黒い輪”が効く。126500はケースに溶け込み、ダイヤルが主役。
- 質感の見え:126500は境界スチールが細く見える分、ワンプレーンに近い高級感。
4131 vs 4130 —— レプリカの現実
“4131”表記は4131スタイルのクローンを意味する(実機同等ではないが、配置・操作感を再現)。評価すべきは以下:
- スタート/ストップ:クリックが明確でスポンジーでない。
- リセット:3針が12時に一発帰零し、跳ね返りなし。
- 巻き味:手巻きはスムーズ、ローターは静か。
- 歩度&持続:良ロットで**+5〜+10秒/日**、約70時間前後が実用ライン。
4130系クローンも依然優秀。4131系は主に巻き味とリセット感で優位に感じるケースが多い。
クリーンファクトリーの強み(と、見るべき細部)
安定して良い点
- ベゼル光沢&白金調埋めが均一で、安物に出る“灰がかり”がない。
- ダイヤル印字が整然(DAYTONAアーチや外周ハッシュ)。
- 針長・磨きのバランス良好、センターピニオンもきれい。
- ケース仕上げはラグの筋目とケース側面ポリッシュの切り替えがシャープ。プッシャーのネジ込み開始も良好。
- ブレス/クラスプは剛性感があり、オイスターロックの静かな一発クローズ。
ルーペ推奨ポイント
- メタリック系ダイヤルで極端な斜光時、サンバーストの放射がわずかに粗く見える個体あり。
- ごく稀にサブ針先端がトラックに0.2–0.3mm届かない個体。
- ベゼルに微細な遊びを感じることがあるが、押し込みながら回すと解消。
いずれも腕上のリアリティは損なわない。品質管理の確認点として覚えておけば十分。
どちらを選ぶ? 126500 vs 116500
- 落ち着いた顔が好み → 126500。
- クラシックで輪郭の強い見え方 → 116500。
- 巻き味とリセットのキレ重視 → 4131系(126500)。
- 写真資料やコミュニティ情報量 → 116500のアーカイブが最大。
どちらでも**“薄いケース+読みやすいトリコンパックス+使えるクロノ”**という中核体験は同じ。


クリーンファクトリー デイトナ QC 10項目(保存版)
- ベゼル基準位置:12時三角のセンター出し/タキ目盛りの等間隔。
- ベゼル塗填&光沢:白金トーンが均一、マット落ちなし。
- 印字:ミニッツトラック&サブ目盛りがシャープ/DAYTONAのインク濃度が均一。
- 針合わせ:12時で分針が目盛りに合う/クロノ針は完全帰零。
- サブの深さ&アジュラージュ:同心円が均一で段差感なし。
- アプライドインデックス:面が立ち、接着痕なし。
- リューズ&プッシャー:ネジ込み開始が素直、ザラつきなし、ガスケット健全。
- ブレス&エンドリンク:ケースに密着、日光抜bけの隙間なし、駒の可動はスムーズ。
- クラスプ:一発でカチッと閉まり、ロック時の横ブレなし。
- 初期歩度&持続:満巻後に安定稼働&翌朝も力強い。
商品ページ用の写真ガイド(返品低減に効く)
- 同角・三連ショット:自然光/日陰/暖色室内でのダイヤル色再現。
- ベゼルマクロ:100–120付近の数字にピント(塗填品質が即バレ)。
- リセット後ショット:帰零精度の可視化。
- クラスプ詳細:内外・開閉の4カット(クラスプ=全体品質と見られがち)。
コミュニティの実感(過剰な煽り抜き)
116500→126500へ移ったユーザーは「小さな差が常に効く」と評することが多い。
1週間着けると126500の穏やかな面構えと締まった印字を好む傾向。
一方で116500の“黒い輪”の強さが写真映えするという理由で残すユーザーも多い。
結論は一致している:印字・ベゼル塗填・クロノ操作感が命。ルーペ1枚の揚げ足ではなく、日常で破綻しない総合完成度が評価軸。
ボトムライン
デイトナはフル刷新していない。だが積み重ねの改良で、126500は見た目が整い、4131系の操作感も一段滑らか。
“ベストなレプリカ体験”を狙うなら、ベゼル品質/ダイヤル印字の規律/プッシャー&帰零の確かさという3点を即チェック。
クリーンファクトリー製の良個体なら、写真映えだけでなく日々の使用に耐える一線を満たしてくれる。

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