最初に36mmのオイスターパーペチュアルのベージュ文字盤を見たとき、正直に言って少し迷いました。ベージュという色は、ぱっと目を引くような派手さはありません。しかしクリーンファクトリーが手掛けたこの控えめな1本を数週間着けてみると、これは一目惚れする時計ではなく、日々じわじわとその良さを実感していくタイプの時計だと気づきました。
■ 現実世界で着けてみて この時計は決して派手ではありません。むしろ、それこそが最大の魅力です。カフの下に忍ばせて出社し、週末にはTシャツとジーンズでカジュアルに過ごす——そんな様々なシーンで自然と溶け込んでくれました。
ベージュの文字盤は光の加減で表情を変えます。ときにシャンパンのように温かく、ときにアイボリーのようにクールに。驚いたのは、その控えめな存在感にもかかわらず、意外と多くの人に「その時計、珍しいね」と声をかけられたこと。ブラックやブルー、グリーンが溢れる中で、ベージュは静かに際立ちます。
■ 手首での存在感 クリーンファクトリーはケースのバランスを完璧に仕上げています。厚すぎず、重すぎず、オイスターブレスレットは手首にぴったりとフィット。安価なレプリカにありがちなチープなガタつきや中空感は一切なし。
丸一日着けても疲れず、ズーム会議、自転車移動、買い物といった日常の中でも快適。特に夏の暑さの中では、イージーリンクの伸縮機能が思いのほか重宝しました。
■ ムーブメントと精度 裏蓋は開けていませんが、週の初めに時間を合わせてから5日経っても、スマホの時計とほとんどズレがありませんでした。これが「スーパークローン」の実力。巻き心地も滑らかで、引っかかりや違和感は皆無です。
ロレックス純正ではないとはいえ、これほどの操作感と安定性があれば、レプリカだということを忘れてしまうレベルです。
■ 細部へのこだわり 6時位置のレーザー刻印入り王冠は、目を凝らさないと見えないほど繊細。リューズガードの彫りや、ケースのブラッシングとポリッシュの切り替えも非常に丁寧。どれも偶然ではなく、クリーンファクトリーの「細部まで妥協しない姿勢」の現れです。
さらに、クラスプは旧モデルよりも薄型化されており、小さめの手首にも優しくフィットします。
■ 意外なコーディネート効果 このベージュ文字盤があると、自然とコーディネートにも変化が現れました。カーキやオフホワイト、パステルカラーなど、暖色系の服を合わせたくなり、これまであまり意識していなかったカラーリングにも挑戦するきっかけに。
「主張しすぎないけど、しっかり存在感のある時計が欲しい」——そんな人には、この1本はまさにぴったりの選択です。
■ 総評 クリーンファクトリーの36mmオイスターパーペチュアル・ベージュダイヤルは、単なるレプリカではありません。よく考えられたディテールと快適な装着感が詰まった、完成度の高い1本。
派手さはありませんが、だからこそ日々使う中でじんわりと魅力を感じられる。そんな時計を求める人にとって、これは見逃せないモデルです。
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