手巻きの方法

自動巻き腕時計が突然止まるのは故障?手巻きの方法とワインディングマシーンの正しい使い方

新しい機械式腕時計を箱から取り出す瞬間には、独特の高揚感があります。

保護フィルムを剥がし、リューズを操作して時刻を合わせ、腕に着ける。文字盤の上を滑らかに進む秒針を眺めているだけでも、機械式時計を手に入れた実感が湧いてきます。

ところが、数時間後、あるいは翌朝になって腕元を見ると、秒針が完全に止まっている。

この瞬間、多くの人は焦ります。

「買ったばかりなのに故障したのか」

「ムーブメントに不具合があるのではないか」

しかし、すぐに故障と決めつける必要はありません。

新品の自動巻き時計が短時間で止まる原因の多くは、ムーブメントの異常ではなく、ゼンマイに十分な動力が蓄えられていないことにあります。

現代のデスクワーク中心の生活では、自動巻き時計を腕に着けているだけで、常に十分な巻き上げが行われるとは限りません。

この記事では、自動巻き腕時計が突然止まる理由、正しい手巻きの方法、そしてワインディングマシーンを使うべきかどうかについて詳しく解説します。


1. デスクワーク中心の生活では自動巻きでも十分に巻き上がらない

多くの高級腕時計やスポーツウォッチには、自動巻きムーブメントが搭載されています。

自動巻きとは、腕の動きによって内部のローターが回転し、ゼンマイを自動的に巻き上げる仕組みです。そのため、「毎日着けていれば手巻きは必要ない」と考える人も少なくありません。

しかし、これは必ずしも正しくありません。

自動巻きムーブメントは、腕が十分に動くことを前提としています。

一日中デスクに座ってパソコンを操作している場合や、通勤のほとんどを自動車で過ごす場合、手首の運動量は想像以上に少なくなります。タイピングやマウス操作程度では、ローターが十分に回転せず、消費した分の動力を補えないことがあります。

時計のパワーリザーブを、銀行口座にたとえると分かりやすいでしょう。

時計は、動き続けるために毎日24時間分の動力を消費します。一方、腕の動きによってゼンマイに蓄えられる動力が20時間分しかなければ、毎日4時間分の赤字が生まれます。

巻き上げ不足の例

  • 時計が1日に消費する動力:24時間分
  • 腕の動きで補充できる動力:20時間分
  • 1日あたりの不足:4時間分

最初の数日は、時計に残っていた予備の動力で問題なく動きます。

しかし、毎日少しずつ残量を使い続けるため、数日後にはパワーリザーブがゼロになります。その結果、夜間や早朝に突然止まってしまうのです。

また、ゼンマイの巻き上げ量が少ない状態では、時計が完全に停止する前から精度に影響が出る場合があります。

ゼンマイのトルクが弱くなると、テンプの振り角が低下し、進みや遅れが大きくなることがあります。時計が動いているからといって、必ずしも理想的な状態で動作しているとは限りません。


2. 時計を使い始めるときは手巻きで動力を補う

新品の自動巻き時計を受け取ったときや、長期間止まっていた時計を使い始めるときは、腕に着ける前に手巻きを行うことが大切です。

時計を数回振っただけでは、秒針を動かす程度の最低限の動力しか蓄えられないことがあります。

本来の精度とパワーリザーブを引き出すには、リューズからゼンマイを巻き上げる必要があります。

一般的なリューズ位置

  • 基本位置:ゼンマイの手巻き
  • 1段引き:日付や曜日の早送り調整
  • 2段引き:時刻合わせ、秒針停止

モデルによって構造は異なりますが、一般的な自動巻き時計では、このような操作位置になっています。

ダイバーズウォッチなどのねじ込み式リューズでは、最初にリューズを反時計回りへ回してロックを解除します。リューズがケースから少し浮いた位置が、通常の手巻き位置です。

日付や時刻を調整するために、さらにリューズを引き出す必要はありません。

目安は20〜30回

手巻きを行うときは、リューズを時計回りにゆっくり20〜30回ほど回します。

迷った場合は、約25回をひとつの目安にするとよいでしょう。

巻き上げ中には、わずかに滑らかな抵抗を感じます。これは香箱の中でゼンマイが巻かれている感触です。

現代の一般的な自動巻きムーブメントには、ゼンマイの巻き上げすぎを防ぐ滑り機構が備わっています。一定以上巻き上がると、内部のゼンマイが適度に滑るため、通常の手巻き操作で簡単にゼンマイが切れることはありません。

ただし、強い力で無理に回したり、異常な抵抗を感じた状態で操作を続けたりするのは避けてください。

朝に軽く巻き足すのも効果的

デスクワーク中心で運動量が少ない場合は、朝に軽く手巻きを行う方法もあります。

一日の始まりに十分な動力が蓄えられていれば、ムーブメントは安定したトルクで動きやすくなります。

ゼンマイの巻き上げ量が多い状態では、時計の精度も比較的安定しやすく、日常生活で受ける振動や姿勢変化の影響にも対応しやすくなります。

毎日必ず25回巻かなければならないわけではありませんが、時計が頻繁に止まる場合は、まず手巻き不足を疑うべきです。


3. ワインディングマシーンは便利な保管用品か、時計を消耗させる装置か

腕の動きだけでは十分に巻き上がらないと分かると、多くの人がワインディングマシーンを検討します。

ワインディングマシーンとは、時計を取り付けたホルダーを自動で回転させ、腕の動きを再現する保管装置です。

時計を止めずに保管できるため、複数の自動巻き時計を所有するコレクターに人気があります。

一見すると非常に便利な道具ですが、時計愛好家の間では意見が分かれています。

ワインディングマシーンは時計にとって有益なのか。それとも、不要な摩耗を増やす装置なのか。

結論は、所有している時計の種類と使い方によって変わります。


ワインディングマシーンの利点:複雑機構を止めずに維持できる

ワインディングマシーン最大の利点は、やはり利便性です。

時刻と日付だけのシンプルな時計であれば、止まっても数分で再設定できます。しかし、永久カレンダー、年次カレンダー、ムーンフェイズなどの複雑機構を持つ時計は、再設定に手間がかかります。

複数の表示が連動している時計では、設定順序を間違えると機構に負担をかける可能性もあります。

そのような時計を常に動かしておけば、着けたいときに取り出してすぐ使用できます。

複雑時計を何本も所有し、頻繁に着け替えるコレクターにとって、ワインディングマシーンは非常に便利な道具です。


ワインディングマシーンの欠点:動かし続ければ摩耗も続く

一方で、時計を常に動かし続けることにはデメリットもあります。

機械式ムーブメントを自動車のエンジンにたとえてみましょう。

自動車を使用していなくても、エンジンを24時間アイドリングさせていれば、内部部品は動き続け、オイルや各部品も少しずつ消耗します。

機械式時計も同じです。

ワインディングマシーンで時計を止めずに回し続けると、歯車、輪列、ローター、自動巻き機構には常に摩擦が生じます。

時計を保管しているだけでも、ムーブメントの稼働時間は増え続けます。

シンプルな3針時計の場合、数日間止めておいても大きな問題はありません。むしろ、使用していない間はムーブメントを休ませることで、不要な摩耗を抑えられます。

また、ゼンマイが常に最大付近まで巻き上げられている状態では、自動巻きの滑り機構が繰り返し作動します。適切な設定であれば大きな問題にはなりにくいものの、必要以上に回転させ続ける使用方法は避けるべきです。


4. 安価なワインディングマシーンで注意したい磁気の問題

ワインディングマシーンで最も注意したいのは、回転そのものより、内部に使われているモーターの品質です。

ワインディングマシーンの内部には、小型の電動モーターが搭載されています。

安価でメーカー不明の製品では、モーター周辺の磁気対策が不十分な場合があります。その結果、時計が長時間弱い磁界にさらされる可能性があります。

機械式時計の内部には、非常に細いヒゲゼンマイがあります。

ヒゲゼンマイが磁化すると、コイル同士が引き寄せられ、正常な伸縮ができなくなることがあります。すると、時計が突然大きく進むようになり、1日に数分、場合によってはそれ以上の誤差が出ることがあります。

磁化を疑う症状

  • 突然、大幅に進むようになった
  • 1日で数分以上の誤差が出る
  • 手巻きや装着方法を変えても改善しない
  • ワインディングマシーンを使用し始めてから精度が悪化した

こうした症状がある場合は、磁化を疑う必要があります。

ワインディングマシーンを選ぶ際は、回転数や外観だけでなく、低磁気モーターや磁気シールドについて説明がある製品を選ぶ方が安心です。


5. ワインディングマシーンの正しい設定方法

ワインディングマシーンを使用する場合、単に時計を回し続ければよいわけではありません。

重要なのは、1日あたりの回転数と回転方向です。

英語の商品説明では、1日あたりの回転数を「TPD」と表記することがあります。これは「Turns Per Day」の略で、時計が1日に何回転するかを示す数値です。

ムーブメントによって、効率よく巻き上がる回転方向と必要な回転数が異なります。

一般的な設定例

ムーブメントまたは時計1日あたりの回転数の目安回転方向
ロレックス Cal.3235系650〜700回前後両方向
パテック フィリップ Cal.324系約800回反時計回り
バルジュー7750系クロノグラフ約800回時計回り

これらは一般的な目安であり、実際の推奨設定はムーブメントや製品によって異なります。

高品質なワインディングマシーンは、連続して回転し続けるのではなく、数分間回転した後に一定時間停止します。その後、再び回転するという動作を繰り返します。

これは、人間の腕が一日中同じ速度で動き続けるわけではないことを再現した仕組みです。

避けたい設定

  • 24時間休まず回転し続ける
  • 必要以上に高い回転数を設定する
  • ムーブメントに合わない回転方向を使う
  • 時計を長期間乗せたまま一度も状態確認しない
  • 安価で磁気対策が不明な製品を使う

ワインディングマシーンは、回転数が多いほど良いわけではありません。

時計が止まらない最低限の設定に抑えることが、不要な摩耗を避けるうえで重要です。


6. ワインディングマシーンが向いている人、必要ない人

すべての自動巻き時計に、ワインディングマシーンが必要なわけではありません。

ワインディングマシーンが向いている人

  • 永久カレンダーや年次カレンダーを所有している
  • ムーンフェイズなど再設定が複雑な時計を持っている
  • 複数の時計を頻繁に着け替える
  • 時計を手に取ってすぐ着用したい
  • 日付や時刻を毎回設定するのが負担に感じる

ワインディングマシーンが必要ない場合

  • 時刻と日付だけのシンプルなスポーツウォッチ
  • 所有本数が少ない
  • 時計を数日止めても問題ない
  • 手巻きや時刻合わせを負担に感じない
  • 不要なムーブメント摩耗をできるだけ抑えたい

サブマリーナ、エクスプローラー、オイスターパーペチュアルのような比較的シンプルなモデルであれば、時計が止まったときに手巻きと時刻合わせを行えば十分です。

GMTマスターIIも、日付とGMT針の再設定に多少手間はかかりますが、複雑カレンダーほど難しくはありません。

一方で、複雑なカレンダー機構を持つ時計を複数所有している場合、ワインディングマシーンの利便性は大きくなります。


自動巻き時計が止まったときの確認手順

自動巻き時計が止まった場合、すぐに故障と判断するのではなく、次の順番で確認してください。

1. 手巻きを行う

リューズを基本位置で20〜30回ほどゆっくり回します。

2. 時計が動き始めるか確認する

手巻き後に秒針が安定して動くか確認します。

3. 時刻と日付を設定する

必要に応じて時刻と日付を調整し、リューズを元の位置へ戻します。ねじ込み式の場合は、確実に締めてください。

4. 一日着用する

通常どおり着用し、翌朝まで動いているか確認します。

5. パワーリザーブを確認する

十分に手巻きした状態で時計を外し、どの程度動き続けるか確認します。

手巻きを十分に行っても数時間で止まる場合や、異常な音、強い抵抗、大幅な精度不良がある場合は、ムーブメントの点検が必要になる可能性があります。


よくある質問

自動巻き時計が一晩で止まるのは故障ですか?

必ずしも故障ではありません。日中の腕の運動量が少なく、ゼンマイが十分に巻き上がっていない可能性があります。まずはリューズで20〜30回ほど手巻きを行い、動作を確認してください。

時計を振って動かしても問題ありませんか?

軽く動かして秒針を始動させる程度であれば大きな問題はありません。ただし、激しく振る必要はありません。十分な動力を蓄えるには、リューズから手巻きする方が確実です。

毎朝手巻きしても大丈夫ですか?

一般的な現代の自動巻き時計であれば、適切な力で手巻きすることに問題はありません。ただし、異常に強い抵抗や引っかかりを感じる場合は、無理に操作しないでください。

ワインディングマシーンに入れたままでも大丈夫ですか?

ムーブメントに合った回転数と方向を設定し、休止時間のある高品質な製品を使用するのであれば、便利に使えます。ただし、時計を常に動かすため、使用していない時計を休ませる場合よりも稼働時間と摩耗は増えます。

安いワインディングマシーンでも使えますか?

モーターの磁気対策、回転数設定、回転方向、休止機能が確認できない製品は避けた方が安全です。特に長時間使用する場合は、低磁気設計の製品を選ぶことをおすすめします。

ロレックス系3235ムーブメントの設定はどのくらいですか?

一般的には、1日あたり650〜700回前後、両方向回転が目安とされます。ただし、実際に使用する時計やクローンムーブメントによって特性が異なる可能性があるため、必要最低限の回転数から試す方が安全です。


総評

自動巻き腕時計が突然止まっても、すぐに故障と考える必要はありません。

現代の生活では、デスクワークや自動車移動が多く、腕の動きだけでは十分な巻き上げ量を確保できないことがあります。

まず行うべきなのは、リューズから20〜30回ほど手巻きすることです。十分な動力を与えたうえで、時計が正常に動き続けるか確認してください。

ワインディングマシーンについては、すべての人に必要な道具ではありません。

サブマリーナやオイスターパーペチュアルのようなシンプルな時計であれば、使用しない間は止めておき、再び着けるときに手巻きと時刻合わせを行う方法でも十分です。操作には1分もかかりませんし、使用していない間の不要な稼働も抑えられます。

一方で、永久カレンダーや年次カレンダーなど、再設定が複雑な時計を複数所有している場合には、ワインディングマシーンは非常に便利です。

重要なのは、安価な製品を無条件に使うことではありません。

磁気対策があり、回転方向と1日あたりの回転数を設定でき、適切な休止時間を持つ製品を選ぶことです。

自動巻き時計は、腕に着けているだけで永遠に動き続ける装置ではありません。

ゼンマイに動力を蓄え、その力を少しずつ使って時を刻む機械です。

この基本を理解すれば、時計が止まったときに慌てる必要はなくなります。適切な手巻きと保管方法を身につけることで、機械式腕時計をより安心して、長く楽しめるようになります。

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メール: support@clean-factory.jp

コンセプト

CLEAN FACTORY(クリーンファクトリー)はロレックスレプリカの開発のみ専念し、最も本物に近い最高品質ロレックスレプリカ製品を提供しています。

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